Day12:エレノア・エヴァンジェリスタ・アルマスの手記 5P目


ローデンも、ジャックも、とても強い人だった。
私は、あんまり役には立てなかったけど、でも、すごく新鮮な体験ができたと思う。
キノイとドリスのふたりとはまた、違う戦い方を見ることができたし、そんな場合の補助のかけ方とか、今までのやり方の欠点とか、そういうのが、よく見えた。
正直に言えば、ちょっと自信なくしちゃいそうだったけど、これもまた勉強、かな。次は上手くやれるように、お休みしてた魔術研究、そろそろ本腰いれて頑張らないと。

ホテルに帰ってきて、合流したキノイとドリスは、未開の地域できらびやかなカジノ船に会った、という話をしてくれた。
そして、新しくショップの商品が増えたことも。
ふたりに教えてもらって、次の探索後に見てくるつもり。
未開の地域は、先に進めば進むだけ、いろんなものが見つかる場所なんだろう。
ただ、噂だととても危険になっていくらしいから、きちんと準備だけはしないとね。

そういえば、最近はキノイに、買い物のことを頼みっきりになってる。
彼自身は、雑用は慣れてるから大丈夫、って言ってくれるけど、ちょっと申し訳ないな、って。
何か出来ることがあればいいんだけど。
手計算してることが多いから、電卓でも差し入れしようかな。この世界でも、扱われてるのを見かけたから、きっとどこかで買えるはず。渡したら使ってくれるかな。

そうなれば、ドリスにも何か、って思って、ふと彼女の足元を見て思い付いた。靴がいいんじゃないかなって。
彼女は素足で大丈夫なのかもしれないし、もしかしたら、靴が嫌いなのかもしれないけど。
そうじゃないなら、陸を歩く用にプレゼントしても、きっと悪くはないはず。
彼女の好みはどんなのだろう。靴屋に誘ったら、一緒に来てくれるかな。
今度、ちょっと声をかけてみよう。

研究のための部屋を借りるために、アンテルテ・ラボへ。
ちょっと、色々あったけど、十分に強度があって、広さもある実験室を案内してもらえた。(設備を少し整えなくてはいけないけど、それくらいは必要経費だ)
ここなら、危険な術も試行できるかも。もちろん、結界は張った上で、だけど。
ホテルでは、そんなことできないから、簡易の術、それも術式の組みたてくらいしか出来てなかった。
だから、実戦で使うのが初めて、ってパターンが多くて、少し不安もあったし……これで、そういったことも無くなればいい。

今のところ、感覚調整は問題なし。
未開の地域で、少し揺らぎは出たけれど、極端な感覚の変化まではいかなかった。
テリメインの魔力に少しずつ慣らしているのが良かったみたい。
これからも経過をみながら、進めていこう。

カベルからも、今のところとくになし。
厄介者がいなくなった、ってだけで済んでいればいいんだけど。

[手記5P目:考え事、色々]