ニーユの日記:8ページ目

ただ居場所が欲しかっただけです。
私はそれ以外の場所を知りません。
なければ作るしかないと思って、私は、私のリーンクラフトを……

思いつかなかったのも本当で、それ相応の覚悟もないのも本当で、全てにおいて、クラトカヤさんの言うことは正しいです。
あの人は私に、その気になったらあの日のことを聞くといいだの言いますが、その覚悟もまだありません。

あの人のことは嫌いです。
私の居場所を壊していった人です。
けれど、あの人が来なかったら、私はきっと、まだ、あの研究所にいたのでしょう。
外の世界を知れたことは、私にとって大きなプラスでした。知らないままなら、私はどうしていたのでしょうか。

空は青い。ごく当たり前の知識が、私を感動させるのです。
日が差し雨が降る。ごく当たり前らしいそれらが。
実感を伴ってやってくる、【本当にそうだったんだ】という気持ちは、何事にも変えられません。
こちらに来てからは、私は恵まれたところにいたんだ、と強く思いました。雨風が凌げて、食うのに困らないのは、毎日のやることが決まっていて大して自分の時間がないことに比べたら、ずっとずっと良いことだと思いました。


(ノートの端に、7.4と書かれている)(すぐ脇には日付も書いてあるようだ)
(同じような7から始まる数字と日付のセットが、ページ内に散見される)