結果として俺たちはバイオスフェアから生還したし、コクーンも沈黙させることができた
ある程度の被弾は想定していたし、どこがやられてもいいように、パーツの換えは一つはストックしてあるし（大きすぎて一つしかストックできないとも言うんだけど）、ミリアピードはどの位置のどのパーツも規格を揃えてある
今回はちょっとそういう問題じゃない 嘘みたいに金が吹っ飛んだのは、どう考えても焼夷機関砲のせい
俺たちのいたブロックは、次々とバイオ兵器の霊障に潰されて行った 俺が焼夷機関砲を握ったのは、提示されていたライダーたちの情報を見て、長引くとまずいと直感が告げたからだ
ベルベットには躊躇うなと言った 残弾を気にするなと言った
その結果がこれだ 収入の3/4が吹っ飛んだのは流石に頭を抱えたくなるけれど、躊躇っていたらどちらかが死んでいたかもしれないから
幽霊に死はあるのだろうか
幽霊だから、何事もないように戻ってきたりはしないのだろうか
そんな可能性に祈るくらいなら、俺は自分の腕を信じる
撃墜されなければいいだけだ
HackTeckにバイオスフェアでのデータを提出したら、なんともまあ想定外の顔をされた
俺が支給された弾を撃ち切ると思っていなかったらしい そりゃそうだろうな できたら後ろの方で大人しくしていたいもん
けどそれが叶わなかったというだけで、バイオ兵器に向かってひたすら機関砲を撃っていた話をしたら逆に労われてしまった
また機会があれば金を出すとも言われたけれど、次に世話になるときは来るのかな それは次の要塞攻略でだろうか
データ的には過剰なくらいだったみたいで、まあ 望むものが手に入ったのならそれはそれで
次の戦場は……大人しくしているつもり 金の減り具合が怖すぎるんだよ
俺たちのいたブロック、撃墜率が高かったらしい
あとで知った 全滅したところもあると聞く
俺達が殺されるのは敵にじゃなくて味方になのかもしれない
世界が全て敵に回ったときに、俺はそれでもあの子のそばに立てるのか？